◆録画しておいた『炎上』を見た。原作は三島由紀夫の『金閣寺』。監督：市川崑，主演：市川雷蔵。観念的な話なので，ちょっと退屈かも知れません。私は主役の気持ちがなんとなく分かる気がする。雷蔵名演技。寺が燃えるシーンは『怪奇大作戦』の「呪いの壺」の勝ちだけど，市川監督は，燃える炎を普通に撮ってもダメってんで，敢えてモノクロで作っちゃった。火事の火花がば〜っと散るシーン（金粉を使ったらしい）は，さすがの市川映像。美しい。
◆小森健太朗『探偵小説の論理学―ラッセル論理学とクイーン，笠井潔，西尾維新の探偵小説』を読もうとしたが，数ページで挫折。読みにくい。論理学だの哲学だのとただでさえ難しい材料を探偵小説ファンに読まそうと思うなら，もっともっと分かりやすく書かないと絶対ダメだ。「このくらい分かるだろう？」という著者の傲慢な表情が眼に浮かぶようだ。まぁ，読み物としては最低だな。
