暗黒館の殺人

x001it2005-02-13

熱出して頭がボーッとしてるんですが,何もせずに寝てるだけってのが出来ないんで,『暗黒館の殺人』を読みきってしまいました。ただ分厚いだけで全然面白くなかったですよ。ここからネタをばらしまくるので伏字にしますが作中時間と登場人物を誤認させて煙に巻こうって趣向は,割とすぐに気付きます。これが最後まで分からないという読者は,多分そんなにいないでしょう。問題は時々「視点」とかいうものが登場する場面があるんですが,これが実は,事故で気を失った登場人物が,過去の出来事を夢に見ているという「視点」なのだ,と説明されます(つまり,今回描かれている物語は,登場人物が過去に起きた事件を夢で見ている,という趣向なのですね)。しかし,どうしてそんな夢を見ているのかという説明は一切なされません。何でもアリかい。その上,過去の事件に一応の決着はつけられるものの,思わせぶりに描かれた「ダリアの宴」絡みの部分については何の決着も付けられません。多分,読者は。その部分が一番気になると思うのだが。綾辻館シリーズを続けるについて,「中村青司は生死不明にしておけばよかった」という発言をしていたことがあるけれど,今回の作品は,「中村青司は,まだ生きているかもしれない」という解釈が成立するように,ただ,それだけのために書かれたような気がするのです。館シリーズを読み続けてきたものなら,まず間違いなくこの暗黒館も読むでしょうけど,そんな目的のために書かれた作品に付き合わされる読者は気の毒だ。

魔法戦隊マジレンジャー』,まだ第1回なのですが,まぁ無難な仕上がりって感じでしょうか。「おっ!」と思うところが,物語にも特撮にも感じられなかったなぁ。これまた伏字にしますがあの魔導騎士ウルザードってのは,死んだことになっているお父さんなんでしょ,きっと。