さまよう刃/東野圭吾

x001it2004-12-23

読んでしまったのである。ムカムカしてるのである。作品に怒ってるんやなくて,作品に描かれている犯罪に怒っているのである。ストーリーは“蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。遺族に裁く権利はあるのか?社会,マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?”というもので,特段目新しいもんじゃないです。実際,東野の作品としては『手紙』の方が面白かったし。あ,“東野の作品としては”ですよ。他の人が書いたのなら絶賛のクオリティです,もちろん。それはさておき,この「蹂躙され殺された娘」という部分である,問題は。私ゃフィクションでも性犯罪は吐き気を催すほど嫌いだ。この作品では,(以下ネタバレにつき伏字)その現場を録画したビデオを父親が見てしまうというシーンがある。これが私には耐えられない。最悪だ。吐き気がする。そんな気にさせるほど,東野の筆が冴えているということでもあるのだが。そんなわけで,またまた重いテーマの佳作を書いて,クリスマス前に人をブルーな気分に落としこむ東野である。

そんなのを読んでたら,県立高校定時制2年生の女子生徒(17)が,茂原市下永吉の無職 斎藤義仁(20)と同市内に住む県立高校1年生(16)無職(16)配管工(18)の少年3人,別の男(21)というクズどもに車で連れ去られて殺されたというニュースが飛び込んできた。こいつらは路上強盗発覚を恐れて犯行に及んだという。クズだ。ダニだ。さっさと焼却処分しなければ社会に毒がまわってしまう。実になんとも気の滅入るクリスマスイヴイヴ

歳末特別企画として,あの『磯野家の一族』を期間限定で再掲載しています!ブルーな気分を吹き飛ばし,寂しいクリスマスのお供に是非!