銀色の国

逸木裕『銀色の国』を読んだ。私も自殺を考えたことがある。鬱病で倒れて、ベランダから飛び降りようかなどと考えながら窓の外ばかり眺めていた。そんなとき、ジャズ聴きのオフ会があるので参加しませんかと誘われた。ジャズの知識やらなんやら、明らかに私なんかとは比べ物にならない人たちに集まりに、私の状況を知っていた方が誘ってくださったのだ。あの頃は、ブログなんか無くて、個人のホームページが全盛で、今よりもネット上のお付き合いに温かみがあった。もともと人付き合いが苦手で、普通なら行こうなんて思わないのだが、その時は何故か行く気になった。東京都国立市というところまで出かけた。他の参加者の皆さんには随分とご迷惑だったろうが、随分と救われた気がした。もう14年も前だ。この本を読んで、そんなことを思い出した。