壁の男

いくらすることがないとは言え、朝っぱらから外人しか出てない仁義なき戦い宇宙編『ガンマー第3号 宇宙大作戦』だの、千葉ちゃんがつぶらな寄り目サイボーグと戦う『海底大戦争』だの、ただただ無茶苦茶な『不良番長 骨までしゃぶれ』だのといった映画ばかり見ていると、俺の老後って、どうなるんだろうと不安に押しつぶされそうになる。でも、貫井徳郎『壁の男』を読んだということは、胸を張って他人に言える。これも実に良い作品で、こんなの読んで泣かない奴がいるのかね。主人公があまりにも可哀想すぎて、こんなに悲劇を呼び込む体質の人いるのかしらと思わんでもないが、貫井作品だから、それは仕方ないのである。ただ、表紙を見たとき「壁ぬけ男」と空目してしまったことは内緒だ。

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