聖女の島

本上まなみ

皆川博子『聖女の島』読了。『本格ミステリ・ベスト100』で千街晶之が「異色の大傑作」と書いていたので,「異色の」ってのが気になったものの,ちょいと読んでみるかと思ったのである。講談社文庫版。裏表紙には「恐怖小説」って書いてある……解説を綾辻行人が書いている……やばい。私は知っている。綾辻が褒めてるものにろくなものがないことを。読んでみた……やっぱり。解説で綾辻は「幻想ミステリ」と呼んでいるが,わざわざ「幻想」を冠につけてまでミステリ呼ばわりしなきゃならないのか。探偵小説研究会本格ミステリを紹介する本でミステリとして紹介してよいのか。探偵小説研究会は「ボクが本格ミステリだと思ったものが本格ミステリです」と言ってる奴らの集まり(何故「僕らが〜」と定義しないんだろう?)なので,もともと会全体に対しては全然信頼してなかったが,今回ちょっと千街に対する信頼も揺らいだぞ。で,『聖女の島』そのものの評価ですが,綾辻が解説書いてる時点で「大体こんな話なんだろうな」と思ってたのがそのとおりだったので,驚きもヘチマもありませぬでした。こういう書き方で分かる方には分かっていただけるかと。
愛の流刑地。絶対岸谷五朗は得したよな。寺島しのぶより高岡早紀の方が数万倍いいよな。