x001it2004-03-25

ブルース刑事に続いて長さんも死んじゃった。どうなっとるんだ。

『乱歩R』の最終回がどうにも訳分からんで気持ち悪かったので,ノベライズ本を立ち読みした。明智は雷道の導きにより,人の心の闇を理解できるようになった。雷道は自ら崖に落ちて明智に問う。「俺は人殺しだ。見殺しにすれば,お前も人殺しになるが,お前の母を殺した俺を助けることが出来るか」と。明智の中に憎悪やなんやかやが渦巻く。さて,テレビでは,ここで明智の目に二十面相のマスク(人の心の闇の象徴)が浮かび,それを見た雷道は満足げに「その目を忘れるな」と言い残し,自ら崖下に落ちていく。明智は慌てて手を伸ばしたが,雷道を助け上げることは出来なかった。しかし,ノベライズでは(以下,伏字)明智は決然と雷道を助け上げるために手を伸ばし,雷道の手をつかむのである。人の心の闇を理解した上で,なお,命を救おうとするのだ。それを見た雷道は「日本一の探偵になったな」と,明智の手を振り解いて,崖下に落ちていくのである。全然違う。ありきたりな展開ではあるが,少なくとも,どういう筋かは理解できた(面白いかどうかというのは別の話)。ということは,演出がダメダメだったということだな。ああいうオチに持っていくんなら(また伏字)最初の段階では明智を無邪気に正義を信じる明るいキャラにしておいて,毎回の事件を通じて段々と心の闇の存在に信念が揺らいでいく,という展開にしなきゃダメだ。雷道も謎めいた感じにせず,もっと父親的な温かい感じで描いておかないと,オチが生きないだろうに。とにかくシリーズを通してやりたかったことが,演出陣にまったく理解されてなかった(あるいは理解していたが表現する能力がなかった)のだなぁと,しみじみ感じました。ちなみに(更に伏字)ノベライズでは堀越刑事はバッチリ生きてました。