ハヌマーンと5人の仮面ライダー

あの『ハヌマーンと7人のウルトラマン』の正式な続編。ただ、円谷プロと一緒に作った前作とは違い、配給権しかない『五人ライダー対キングダーク』を勝手に編集(ツマラン映画だったからかね)、おまけに画面が全然つながらないほど酷い出来の新撮で作り上げた正真正銘のキチガイ映画。いきなりタイ語の「セタップ! 仮面ライダーX」(最後に突然裏返る声が素晴らしい)に乗せて、ちんたらちんたら走る5人のライダー(ライダーではなく赤蟻って呼ばれてる)。しかもスーツはコスプレ以下の低レベル。ライダーマンなんか、ヘルメットが頭に乗ってるだけなので、顔が全部見えちゃってる。この時点で脳が死にそうになるが、この程度じゃ終わらない驚異の展開。オリジナルとは全然絵がつながらないキングダークと、ただの目出し帽をかぶってる戦闘員がコントを繰り広げた挙句、前作でハヌマーンに血液一番搾りされた仏像泥棒兼殺人犯を地獄から連れてきて手先に使い、前作で発狂したはずなのに、新しい恋人といちゃついてる博士に怪人を作らせる。おまけにラストは文字通りの地獄絵図。ところどころに感じられる石井輝男テイストが、海賊版なのに東映の血を感じさせて凄い。とにかく一見の価値あり。それにしても、オープニングでタイトルやスタッフ、キャストの表示が一切ないのは何故だ。前作にはあったのに。恥ずかしすぎて出せなかったのか?