◆東直己『疾走』読了。『残光』に続いて伝説の始末屋・榊原シリーズ。いいねぇ。ただ，これ以上は続かないだろうな。何しろ，この人が動く理由はひとつしかなく，その理由が何回も何回も続くってんじゃ，さすがに無理がある。というわけで，おそらくはシリーズ最終回とも思える作品，バッチリ楽しめます。あ，今回も畝原探偵シリーズ，ススキノの「俺」シリーズともリンクしています。東直己もハズレ率低いな。東野圭吾，西澤保彦，樋口有介ともども，新刊が出たら必ずチェックすべし。
◆久しぶりにレッド・ノーヴォ『ムーヴ！』を聴く。恐ろしく録音が悪い。ひょっとしたら『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』並みの録音だ。エンジニアの腕か録音機器か，とにかくヘッドホンで聴くにはチト辛い。でも，なんと言うか，こういうのもジャズ特有の味として作用するから変なもんだ。古ぼけたラジオから流れてくるメロディー，こんなノスタルジーな雰囲気がたまらない。やっぱりね，ジャズは現在進行形でなくて，昔を懐かしむ（そんな「昔」があったんだなぁと思いを馳せる）音楽だと思うなぁ。←物議を醸す発言
