摩天楼の怪人

x001it2006-01-24

島田荘司の最新作ということで,大した期待もせずに読みました。舞台がアメリカということもあり,カタカナが多いのには閉口しましたが,最近の作品の中では読みやすい方だったのではなかろうか。しかし,この人,文章が下手になってきている気がするのは私だけ?以前の作品には,「心を揺さぶる」とまで言っては大げさかも知れないけれど,リーダビリティも良かったし,詩的と言ってもいい文章があったけれど,最近は裏テーマや仕掛けの大きさにだけ力が入っていて,文章の力は弱まっている気がする。ものすごい大トリックを使っていても,それを伝える文章に力がなければ,読んでる方はそんなに感銘を受けないのだ。なんか,そんな作品でしたね。