汚れた王将

関東ローカルだったはずの古畑任三郎傑作選が、関西でも放映された。まずは、めでたい。ただ、津川雅彦の「古い友人に会う」だけ放送されないのは、どういうわけだ。まぁ、あれは津川雅彦の芝居がくどすぎて、ちょっと見ちゃおれんという部分もあるので構わんっちゃ構わんのだが。というわけで、最初は「汚れた王将」。「封じ手」の方法が完全に間違ってるというのは措いておいて、封じ手を書くふりしただけで見つかってるのに、カーボン紙を仕込むのを見つけられないはずがない。絶対にバレるぞ、封筒にカーボン紙なんか入れようと思ったら。書くふりするより圧倒的に不自然な動きになるんだから。更に、和服しか着ないからって、背広の上着をハンガーにかけずたたむ奴なんているか? そして、駒に血がついてたから引っくり返せなかったってのは、「駒に血がついていても、犯行現場が特定されただけで、犯人特定には直結しない」って犯人自身が言ってたし、ということは「引っくり返せたのは、犯人じゃないからだ」と考えて、堂々と駒を引っくり返すのが「合理的思考」ってもんじゃないのか。というわけで、いろいろ突っ込みたくなる本エピソードは、八十助の雰囲気だけで、なんとなく見せてしまう凡作だと思うのだが、どんなもんだろうか。

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