貫井徳郎『ドミノ倒し』

やっと読めた。もう新刊を追うのが大変で、これなんか半年も前の本やもんな。それはともかく、ユーモアミステリということで、表紙の絵も全然貫井作品らしからぬものなのである。確かに軽快な滑り出し。主人公の私立探偵と依頼人の出会いの部分は、もっと軽く出来るだろうに、やっぱり軽くなりきれないのかな、無理して書いたのかな、なんて思って読んでたら、思い切り背負い投げを食らう。重いテーマを剛速球で投げつけて、読者を絶望のどん底に叩き込むのが得意な「グラビトン貫井」だけあって、こう来るのかぁ、と感心しました。でも、俺は騙されへんかったけどね。そんな明るいままで終わるわけないやん、貫井作品が。

読書で満足した後は、たまってた録画の消化を。まず、『緊急取調室』。そこそこ楽しめたけど、すっかり怪優の仲間入りした高嶋政伸によるところ大なので、次回以降がチト心配。天海祐希もそんなに魅力的じゃないし、でんでんは、もっとうまい俳優に替えてほしい。それと、何が「緊急」なのかしら?

続いて『螺鈿迷宮』。このシリーズの主役コンビは、やっぱり映画版の竹内結子阿部寛じゃなく、伊藤淳史仲村トオルの二人に限る(って、この二人でも映画になるらしいけど)。というわけで安心して見ていられる。それにしても、栗山千明の顔は普通のドラマの中では浮くなぁ。