じゃあ警部さん,私はここで

◆昨日と今日で『迷路の花嫁』『扉の影の女』(←これは絶対に犯人を当てられないぞ)を読了し,金田一モノを完全読破した(と思う)のだけれど,クイーン全編読破のときほど達成感というか充実感というものがない。だって当たりハズレが多すぎる,て言うか,探偵モノ,推理モノとしては殆どハズレなのだな横溝は。
◆横溝のパブリックイメージとしては「呪いだ血筋だ首チョンパ」ってなもんだろうが,そういうのも実は少ない。と言ってガチガチの本格推理モノってのもない。実になんとも「はぁそうですか」ってな意外にドライな読後感なのである。ただ,金田一は犯人逮捕や公判を維持するに足る決定的な物証なんかにはあまり興味が無く,謎さえ解明されれば事件に興味を失うとかで「ここからは警察の領分です」って言って退場するというパターンが多く見られた。ここのところを「いつものパターン」にまで持っていって,中途退場する金田一,それを不服としながらも職務として事件に取り組み続ける警察を対比的に描きながら,金田一が退場した本当の理由(犯人の動機を暴露するに忍びない)を最後に浮かび上がらせることができたなら,犯人の苦悩,それを思いやる金田一金田一の真意を最後に悟る警察といった感じでミステリーというよりはメロドラマ的な流れになってしまうかもしれないけれど,それなりに「余韻嫋々たる」作品に仕上げられたのではないか,と思ったりもしたのだった。まぁ,それはそれとして,明日からの就眠儀礼をどうしよう……。
◆一昨日のオフ会の満足感が,時が経つにつれ少しずつ大きく感じられるようになってきている。出かけてよかった。なんと言うか「ボクは一人ぼっちじゃないんだなぁ」って感じである。幹事であるマダムさん,声をかけてくださったドラさん,温かく迎えていただいた皆さんに,改めて御礼申し上げます。
◆……で,また変なの発注しちゃったんですよ。ロイド・ミラーの“Oriental Jazz”。なんでも「ジャズ・マニアの間でカルト的な人気を誇る幻の名盤,アメリカのジャズ・ピアニスト,ロイド・ミラーが1968年に自主制作した」アルバムで,「中東〜東アジアの伝統楽器や中東の伝統曲とモダン・ジャズを融合させたエキゾチック・ジャズの決定盤」「脳天直撃,全編モダンJAZZを基調としながらも,東側の音楽の要素をふんだんに取り入れた文字通りオリエンタルなプレイ。米出身ながらも中東やパリで活躍した奇才ロイド・ミラーの特異さが伺える一枚。冒頭から連続して演奏される中東の琴のような楽器は,どこかアジアンな香りも感じさせ妙な親近感あり。部分的に演奏されるピアノトリオも往年の欧州名盤の様な出来栄え。怖いもの見たさでも買ってみる価値が有る素晴らしい音源」なのだそうです。どうも私は普通のジャズでは満足できない体らしい(何を今更)。
前田愛に続いて永作博美までも……(涙)