崖の館

落選

◆どうして都知事ドクター中松じゃないんだ。
佐々木丸美『崖の館』読了。長年絶版状態にあったものを創元が復刻した。それは偉い。最近の創元は復刻ばっかりか。樋口有介を連続刊行してるのには驚いたぞ。それはそれとして乱歩文庫はどうなっとるんだ。待っとるんだよ私ゃ。で,『崖の館』ですが,吹雪に閉ざされた館で連続する怪事件……ってわりには緊迫感が感じられないのだな。登場人物の一人の視点で語られるのだけれど,次の瞬間殺されるかもしれないってのに,なんだ,この和やかな雰囲気は。おまけに絵画消失事件と密室間移動事件,密室殺人事件のトリックはすぐに分かりました。すれっからしの読者を満足させるにはイマイチといったところか。それと,この小説,いわゆる章立てがない。これが実に読みにくいのだ。だらだらだらだら文章(視点人物のうだうだ考えてること)が続くのはチト苦痛。実は『本格ミステリ・ベスト100』の75位に入っていたのだが,例によって例のごとく内容よりも入手困難だって理由だけで「こんなの知ってるか,ほ〜れほれ」って感じでランクインさせたような気がする。
◆気分転換にパフェを食べに行った。白梅町ハーバーカフェ(ついこの前までホリデイハウスだったくせに)。天辺から爪先までアイスクリーム。やっぱりパフェはこうでなくっちゃ。