腰抜け出版社

この頃は可愛い

◆GW最終日は大雨。まぁ降ろうが照ろうが家でゴロゴロしている私には関係ないのだが。
◆この間に見たDVDレビュー。
 『容疑者 室井慎次』。超駄作。ひょっとするとシリーズ最低作。
 『仮面ライダー THE FIRST』。思っていたより良い出来。良い印象を受けたのは,ひとえに出渕裕のリファイン・デザインワークによるものと思われる。それにしても130R板尾は完全に役者モードに入ってしまったのか?
 『悪魔が来りて笛を吹く』。昭和52年にTBSで放送された横溝正史シリーズの一本。椿あき子が草笛光子(新宮利彦が長門裕之!)というキャスティングが濃すぎてたまらない。やっぱり劇場版の鰐淵晴子の方が雰囲気が出ていてよろしいのではないか。でも,まぁ,誠実な出来でした。
 『女王蜂』。これまた横溝正史シリーズから。劇場版を見て「中井貴恵のどこが絶世の美女やねん!」とお怒りの貴兄には最適。大道寺智子は若かりし片平なぎさが演っております。おまけに原作をかなり脚色していて,ラストは一片の救いもない展開。これは同シリーズの『八つ墓村』(この脚色はすごいぞ!必見!)にも言えるのですが,視聴者に何がなんでも最悪の気分になっていただこうという製作者の意気込みが感じられてステキです。
◆というわけで,横溝作品を読み返してみようと図書館に行ったのだけれど,あのクソッタレ角川は『犬神家の一族』のリメイクなんてアホな企画を通すくせに,文庫はバンバン廃刊にしているのである。今では「金田一耕助ファイル」なんてタイトルつけて20作しか読めません。しかも人権擁護の見地に照らして不当・不適切な表現等は一部改めているというのだ。こいつらは文化というものをなんと心得ているのだろう。これはポプラ社が新しい装丁で出した乱歩の少年探偵シリーズでも行われている暴挙なのである。こんなことを許しておいていいのか。いいわけがない。なんで文学作品を「人権擁護の見地」なんてものに照らさなければならんのだ。これっていわゆる検閲じゃないか。そんなもんに屈するんなら出版なんかやめちまえ。