スウィングガールズ

問題の主役を演じた上野樹理

◆期待してたけどダメでしたねぇ。とにかく主人公に全然感情移入できないんですよねぇ。ある意味すごいキャラ設定だと思うんですが,美点が何一つ無いんですよね。同じ矢口史靖国監督がヒットした『ウォーターボーイズ』の2匹目のドジョウを狙ったんでしょとか言われてましたが,2番煎じにすらなってません。『ウォーターボーイズ』では,男がシンクロをやるということ自体が珍しく,また,それゆえに周囲の偏見があり,それを乗り越えていくというところにドラマがあり,ラストのカタルシスにつながっていたわけですが,今回は,そういったものが一切ありません。生じるピンチはすべて自業自得,自己中心的発想&行動と御都合主義の偶然だけでドラマが進んで何のカタルシスを得られましょうや。見ていて楽しいのは,スウィングジャズが楽しいんであって映画が楽しいわけではない(例えばジャズを剣道に入れ替えたら,どうなると思います?)。というわけで,私にはイマイチだったんですが,御覧になった方の感想を聞いてみたく存じます。
◆『特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』も,やっと見ました。まぁ,こんなもんですかな,という出来。アクションはてんこ盛りで,特に大門団長と化したデカマスターにはかなり御機嫌ですが,事件の謎解きとか,それに絡む心情描写とかには少し物足りないものが……。画面で確認できないほどの一瞬のためにデカゴールドのスーツ作ったり気合は入ってるんでしょうけどねぇ。て言うか,そんなふうに思わせるほど,テレビシリーズが素晴らしかったということですね。やっぱり10年に一度の傑作だったんですよ,あれは。