処女と年増女

x001it2005-03-12

三重県観光連盟が観光ポスターに池波正太郎の『食卓の情景』の一部を使ったら,女性十数人に「不快だ」と抗議されたので回収するんだそうだ。問題になったのは「松阪の牛肉が丹精をこめて飼育された処女なら,こちらの伊賀牛はこってりとあぶらが乗った年増女である」という文章。不快か?岩本美砂子・三重大人文学部教授(女性学)は,「肉のうまさを女性の性体験の有無で表現し,多くの女性を不快にさせることに気づかなかった県観光連盟の宣伝能力に疑問を感じる」としているが,そうか?そもそも「処女」には「未婚女性」という意味もあり,文学的に言えば「おとめ」と読ませてもいいわけで,一方に「年増女」という言葉を使っていることから考えても,まぁ,少なくとも「肉のうまさを女性の性体験の有無で表現」しているわけではないと思う。むしろ問題なのは,「処女」を「セックスしたこと無い女」としか読めないバカが多いということだろう。池波の小説を読んだことのある者なら,「年増女」という言葉をどんなイメージで使っているかも分かるはずだ。岩本とかいう教授が「世の中には言葉を一面的にしか捉えられず,気に入らないというだけでキチガイじみた行動に出る低脳女がいるのだから,観光連盟も気をつけなきゃ」なんてコメントを出してれば,女性学とやらの研究成果を認めてやっても良かったのに。所詮,世の中の何の役にも立たず,被害妄想と権力志向をジェンダーフリーなんて言葉でヒステリックに喚き散らすだけの女性学など,学問の名に値せぬわ。

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