x001it2004-03-06

高田養鶏場は,特に隔離されてるわけじゃなかった。まぁ,入り口に通じる道路は,ある地点で封鎖されてるわけですけど,別に壁だの塀だので遮ってるわけじゃないしね。「ここから入っちゃダメよ」って言うてるだけやから。すぐ隣の駐車場では子供がサッカーして遊んでるし。いいのか,おい?飛沫感染するんだろ?とか思いながら作業の説明を聞く。消毒は自衛隊がやってくれてる。皆さんには鶏舎の中でニワトリを追い込み,袋に詰めて炭酸ガスを注入して殺してほしい,とのこと。しかし私は鶏舎に入れない。そんな人が私以外に5人くらいいたが,私たちが命じられたのは,ニワトリを入れるためのゴミ袋作り。なんでもゴミ袋は二重にしておかないと,ニワトリが突き破るそうだ。しかし,ゴミ袋を2枚重ねにするだけって……全然体力いらんやん!実質長袖Tシャツ一枚で,寒空の下,延々とゴミ袋を2枚重ねにし続ける私……。寒い……寒すぎる……くしゃみが出て,鼻水が出ても,マスクは外せない。最悪だ……。



やっと作業が終わると,まるで体力使ってないのに疲れ果てていた。鶏舎の中で作業してた人は全身汗だくでゴーグルも曇りまくり。私は全身冷え切った状態。そんな大きな差がありながらも,全員疲れきってることには変わりなく,しつこいくらい消毒されて作業を離れる。特に頭からアルコールを噴霧されるのは冷たくって拷問だった。でもねぇ,壁だの塀だのがあるわけじゃ無し,ここで防護服脱いでよし,っていう判断の根拠が分からん。すぐ横で作業してるのよ。風だって吹いてるしさ。ウイルスも飛んでるだろうに。とか思いもしたが,なにしろ,あまりの寒さに全身冷え切ってて,早く帰らせてくれ,と願う以外に何も出来なかったです。家に帰りついたのは8時過ぎでした。風呂に使ったときは本当に生き返ったと思ったね。



そして,私は風邪をひいたのだった。