続いて小栗虫太郎を読もう！というわけで図書館から借りてきたのが、沖積社が復刻した『白蟻』（元版：ぷろふぃる社、昭和10年）だったせいで、全然読めない。なにしろ旧仮名なのだ。ただでさえ読みにくい小栗を旧仮名でなんて読めるわけがない。というわけで、あらためて創元推理文庫版とちくま文庫版を借りてきた。とりあえず「完全犯罪」だけ読んだが、何故これが褒められるかね。いわゆるペダントリなんてものは物語にはドーデモイイ飾りであって、そんなところを私は斜め読みするもんだから、小栗を楽しめないのだね。「完全犯罪」の犯行動機なんか好きなんやけどね。あれをもっと書き込んでくれりゃいいのに、ドーデモイイところにばっかり力が入ってる。やっぱり好きにゃなれんね。
