そして私は疲弊する

どうも風邪らしい。家族の間をまわりまわって増幅された風邪菌が,最後に私のところにやってきたのだ,たちが悪いぞ。それに,ゼストロミンを飲んでも寝つきは悪いままだし,おまけに妙な夢を見る。
家族で長崎の温泉町にやってきた。そこは神事でもある祭りの真っ最中。温泉宿は目と鼻の先にあるのに,神域である森を挟んでいるので,ぐる〜っと遠回りしないといけない。で,遠回りしている間に娘二人の姿が消える。探してくれと頼んでも,神域だからと宿の人たちも地元警察も非協力的。しかも,宿の人たちは,古臭くてインチキ臭い薬局みたいな白装束で,およそサービス業に従事している連中には見えない。女将なんて『恐怖』って映画に出てた片平なぎさだし。仕方ないので東京警視庁に電話したら,はみ出しデカの舘ひろしがやって来る。舘の強引さと親切な宿の売店の女の子の協力で神域の捜査が開始され,三日後,遺体が発見される。おまけに複数の白骨体も発見され,どうやら,これまでにも少女が行方不明になる事件は頻繁に起こっていたらしい。
というところで,画面は変わって,夜中,野卑なオッサンに襲われる白都真理の映像がインサートされる。これは一体,何のシーンだ?
と思っていたら,さっきの続き。犯人を捜し出すべく動き回る私だが,誰も彼もが妙に胡散臭い。いろいろ調べていると,以前,男に襲われ,男を返り討ちにしたものの,恥と罪の意識で自殺した女というのがいて,それが白都真理だったという噂を聞きこんだりする。どうも,この宿には秘密があるというので,売店の女の子の協力を得ながら,なんやかんやと探っていた私は,ついに宿の真の姿を目撃する。宿とは,実は神を守る集団の世を忍ぶ仮の姿だったのだ。象みたいなカバみたいな巨大な化け物の周りを白装束の宿の人たちがひれ伏している。これこそが神の正体,温泉というのは,この化け物の小便で,それを町ぐるみで隠していたのだ。私という部外者に見られたため,暴れる化物,崩壊を始める神域。狂った町の人々から逃げるため,売店の女の子と駅に向かう私。いよいよ,目の前が駅,というところで,路面電車が走り去った向こう側からやってきたのは,祭で神に奉納する踊りの装束を身にまとった,これまでに殺された子供たちの霊。そして,彼らが指摘する真犯人は,なんと売店の女の子だった。彼女は,白都真理の娘だったのだ。しかも,実は,オッサンに襲われていた白都を助けた女がオッサンを殺し,白都は感謝感激でレズろうとしたところ拒絶されたため,その女を殺してしまったのである。娘は生理が来ると母親のレズで人殺しの血が騒ぎ,男親に連れられている女の子を連れ去って殺していたのだった。
という,スペクタクルなんだかオカルトなんだかファンタジーなんだか土曜ワイドなんだか分からない複雑怪奇な夢を見て,それをキッチリ覚えているのだから,体が休まるわけもない。妙にディテールに凝った映像といい,私には変な才能があるのだろうか?そんな一銭にもならない才能なんかいらないから,ゆっくり寝かせてくれ。