人間掛軸

輪堂寺耀『人間掛軸』読了。タイトルからしイカしている。首つり死体発見の報を受けて、捜査陣が臨場してきているのを尻目に、驚異の早業で5人も殺すという異様な犯罪。しかも、ラストの展開も衝撃の一語!ハッキリ言って、『十二人の抹殺者』よりはるかに面白い。

ところで、この作品は、『妖奇』という雑誌に連載されたものである。この雑誌を出していたのがオール・ロマンス社。そう、京都市職員なら誰でも知っている(と思っていたが、最近の若い職員は知らないらしい)オール・ロマンス事件のオール・ロマンス社である。オール・ロマンス事件の主役の一人の名が、巻末資料「幻の探偵作家を求めて 番外編」に出てくる。