夢野久作

夜中に息子が「耳が痛い」と言い出したので、府立医大病院へ走った。夜中に受け付けてくれる耳鼻科は、ここしかないのだ。インフルエンザB型で数日前から寝ていた息子だったが、軽快してくるにつれ退屈になり、昨日はテレビ見たりゲームしたり挙句の果てはボール遊びまでしてたそうで、そのせいでまた熱が上がり、その影響が耳に出たんじゃないかという話。バカガキである。これで私が酔っ払い運転で捕まったら、どうしてくれる。まぁ、缶ビール1缶を飲んで6時間経ってたから大丈夫やけど。

今日は「夢野久作を読もう!」ということで、出版芸術社ふしぎ文学館の『死後の恋』を読破。収録作品は「死後の恋」「悪魔祈祷書」「人の顔」「瓶詰地獄」(ここでは「の」が付いていない)「キチガイ地獄」「鉄槌」「冗談に殺す」「オンチ」「人間腸詰」「押絵の奇蹟」の10本。まぁ、お話としては大したことないのよね。でも、語り口で何とか読ませる。もう一回言うけど、お話としては大したことない。乱歩が激賞したという「押絵の奇蹟」なんか、何が面白いのかサッパリ分からない。夢野は『ドグラ・マグラ』と「瓶詰の地獄」さえ読んでおけばOKだと思う。じゃあ、その両方が入っている創元推理文庫がお得かと言うと、なんとなく、そうじゃない気がする。『ドグラ・マグラ』は一冊丸ごとの方がいい。そんな変なこだわりで、私は現代教養文庫版を持っている(角川文庫版は二分冊なのがイヤ)。「瓶詰の地獄」はと言うと、これを収録した短編集はたくさんあるけれど、他作品のセレクトに一長一短があって、どれを買うか決められない。「瓶詰の地獄」が異様に短いから、他作品の占めるウェイトは大きいのだよ。

あ、ちなみに、この2作品は映画化されてて、どっちも素晴らしい。いやホントに。
ドグラ・マグラ [監督]松本俊夫 [出演]桂枝雀松田洋治、三沢恵里、室田日出男  1988年 http://x001it.xxxxxxxx.jp/cinema-036.html
瓶詰め地獄 [監督]川崎善広 [出演]小倉千夜子、小川美那子、小林ひとみ  1986年 http://x001it.xxxxxxxx.jp/cinema-033.html