推定相続人

相変わらず、休日は推理小説を読むしかすることがない。我ながら、つまらん人生だなと思う。基本的に「楽しむ」ということがおそろしく下手で、と言うより、むしろ楽しむことに罪悪感すら感じるのは、何に由来しているのか。

それはさておき、ヘンリー・ウェイド『推定相続人』読了。オチはすぐ分かるが、楽しんで読めた。歳を取ったせいか、「謎を解いてやる」と思って読むことが少なくなった。そういうタイプの小説が減っていることもあるのだけれど、「何がどうなっていくのか」を、ただ眺めているという読み方に変わっている。でなきゃ、この本も「つまらん」の一言で済ませただろう。ただ、こういう読み方を楽しむには、文章が良いものでないと駄目で、なかなか難しい。

東野圭吾『たぶん最後の御挨拶』も読んだ。『あの頃ぼくらはアホでした』が好きなので、それなりに楽しんで読んだが、アホ話連発ではない(そもそも、そういう本でないから当然だが)のが残念。著者のエッセイ集は、これで最後だというのが、更に残念。