正論を吐く

できちゃった婚」というものがあって,この軽薄な名称が,なかなか低脳な本質を突いているなぁと思わないでもないのだが,最近は「おめでた婚」などと言うらしい。愚劣極まる話である。「私どもの頭の中に入ってるのは脳みそではなく腐った豆腐で,したがって,先のことを考えるなどできるはずもなく,避妊なんて言葉すら知らない,ふしだらな阿呆でございます」というのはもちろんのこと,親どもの教育,躾,倫理観も,まるでなっちゃいなかったと世間に対して表明している誠にお恥ずかしい話なわけで,こそこそと届けだけ出して結婚するならともかく,「おめでた」などと開き直る姿勢が,実に腹立たしいことである。まぁ,「おめでたい」と言えば言えるのだが。
と,いったようなことは,普通に脳みそを有している人なら既に指摘していることだが,職場結婚について,あんまりとやかく言う人はいない。これは,実に不埒な話である。要するに仕事もせずに,乳繰り合いに現を抜かしておりました,ということであって,上司の監督不行届も問われることである。にも関わらず,上司が仲人になったり,祝辞を述べたり,同僚がこぞって祝うなど気違い沙汰である。お前らは,仕事というものを何と心得ておるのか。
特に,公務員には「職務専念義務」というものが課せられている。国家公務員法第96条,地方公務員法第30条に,「すべて職員は,国民全体の奉仕者として,公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当っては,全力を挙げてこれに専念しなければならない」と規定がある。また,国家公務員法第101条第1項前段「職員は,法律又は命令の定める場合を除いては,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」,地方公務員法第35条「職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」との規定があるのだ。にも関わらず,職場恋愛,職場結婚をするなどというのは,法律に違反しており,本来ならば懲戒処分に値するものである。
世間では公務員バッシングが酷く,しかも,そのほとんどが的外れで,単なる嫉妬によるものなのだが,どうして,ここを突く奴はいないのだろう。明々白々たる法律違反なのに。これが不思議で仕方がない。