ゆったりと読書を

x001it2008-11-09

◆運転手や荷物持ちに駆り出されることもない休日というのは実に久方ぶりだ。というわけで,ゆっくり読書いたしました。まずは,牧薩次の『完全恋愛』。辻真先のポテトシリーズって,まだ書いてたのかぁと感心。懐かしいですね。ひとつの趣向のために,随分といろんなもんを犠牲にしとるな,という印象で,ミステリーとしては?だったが,でもまぁ懐かしいから許すか。でも,これってハッピーエンドなのかなぁ,それともバッドエンドなのかなぁ。
◆続いて,石崎幸二『復讐者の棺』。これまた久しぶりのミリア&ユリのシリーズ。最初に読んだときは,あまりのキャラ設定に「なんじゃこいつらは!」と反感を持ったものだが,さすがに慣れましたね。なんとなく過激なところがなくなって,こじんまりとまとまるようになってる気がする。今時珍しいですよ,ノベルスで200ページ切ってる短さは。まぁ中身もそれに見合ってたが。
◆で,今読んでるのは,巽昌章『論理の蜘蛛の巣の中で』。ミステリー評論集です。となると,都筑道夫『黄色い部屋はいかに改装されたか?』,千街晶之『水面の星座 水底の宝石』と比較してしまうのだが(まだ読み始めたばっかりだけど),やっぱり二大傑作には遠く及びませんね。なんでわざわざ読みにくい文章を書くかね。横文字が多いのも困るけど,漢字が多けりゃいいってもんでもないぞ。ある程度ミステリーを読んでいて,その周辺の状況も知ってて,いろんな専門用語も知っている人じゃないと書いてあることが分からない。処女評論集ということで肩に力が入りすぎてるのかなぁ。タイトルも意味不明だし(『カッコーの巣の上で』と関係あるのか?)。しかし,表紙のデザインが酷いなあ。