天気の子

やっと見た『天気の子』。私は面白く見たよ。世間では主人公の行動について論争が起きているらしいが、そういうお話なんだから、論争とかしてる連中の気が知れない。それよりも、新海誠の作品って、映画じゃなくてMVだよな、ということの方が重要なんじゃないかと思うんだが。絵はキレイだ。特に背景はとてもキレイだ。キレイすぎて写真でいいじゃんとしか思えない。登場人物(のタッチ)と全然合ってない。それはいつものことだ。今回一番気になったのは、終盤、廃ビルの屋上へ駆けあがる主人公の場面で、突然引きの絵になったところだ。ここは観客に主人公と一緒に屋上に駆け上がっていかせるんじゃないの、と思ったんだが、カメラは引いていってビル全体を映してしまう。「ほら、こんなに緻密に背景を描いてますよ」と言わんばかりに。で、肝心なところになると、一瞬無音にして歌を流す。役者の芝居もキャラクターで見せる演出も何も信じていない、大事なのは歌を引き立たせる背景画だけだとしか見えない。やっぱり、この人の映画には乗れない。

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