罪と祈り

こないだドラマ化された『微笑む人』を見た。松坂桃李をキャスティングした時点で成功は約束されたようなものだったが(でも、尾野真千子と「親友」(しんゆうではなく、おやとも)って、しんどくね?)、見てみたら案の定、良い出来のドラマだった。ただ、モヤモヤが残る作品はあんまり好みではなく、原作を読んだ当時も、あんまり楽しめなかった。貫井作品をこよなく愛する私ではあるが、このところモヤモヤが多くて、もう昔のようなのは書いてくれないのかなぁと思っていたところへ、最新刊『罪と祈り』が届いた。素晴らしい。精神にずっしり来る、この感じ。これぞ貫井徳郎。ただ、ラストには昔の貫井作品とは違う優しさを感じた。主人公が、もっと深くて暗いところに落ち込んでいってもいい話なのに、ああいうラストを用意してあったのは意外だった。いや、私は年取って、厳しすぎるラストに耐えられなくなってきてるので、トテモありがたかったんだけど。

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