私は二歳

市川崑の1962年作品、『私は二歳』。これをビデオ1観月橋店で発見した時の嬉しさよ。ずっと見たかったのであるよ。なんと原作は育児書だ。赤ん坊が生まれてから2歳の誕生日を迎えるまでを、その両親やら、伯母(京塚昌子!)やら祖母(浦辺粂子!)やら近所のおばちゃん(岸田今日子!)やらの動きを交えて描写。専業主婦一人での育児の大変さやら、同居する姑との育児に対する意識の違いやら、男の役立たずっぷりやら、とにかく育児に関する社会的問題がてんこ盛り過ぎて、ちょいと理屈っぽ過ぎやしないかという気もしないではない。市川崑独特の映像美もあんまり感じられず、映画としては、いささか物足りない。ただ、男の育休取得が話題になる少子化まっしぐらの今日この頃、一見の価値はあると思う。

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