私に似た人

母親の買い物に付き合って白梅町のイズミヤに行ってきた。閉店するって噂はどうなった?まぁ、それはさておき、ラッシュガードの安売りってチラシが入ってたので覗いたのだが、全然数がなくって、しかも、前面ファスナーのタイプは一つもない。あれじゃダメ。ついでに帽子(パナマ帽もどき)もいくつか売ってたんでかぶってみたが、58センチLサイズでも窮屈。どうやら、私は頭が大きいらしい。脳ミソがたくさん入ってるのね、と自分に言い聞かせながら、結局、シャツを一枚だけ買って帰った。まぁ、そんなもんだ。

貫井徳郎『私に似た人』読了。直木賞候補作。私は世間の人からは蛇蝎のごとく嫌われている安定した公務員で、だから、この本を読んで、あれこれ考える資格すらないのかなぁと思ったり。いや、いろいろ考えたりもしますよ、特に小さい子供が被害にあう事件をニュースで知ったりすると。怒りもするし嘆きもする。でも、何もできないと思ってるし、世の中に対して希望だのなんだの持ってないし、なるようにしかならんと思ってるし、せめて自分の家族だけは、としか思えないし、でも、こういう態度は安定した職業に就いてるからだろ、とか言われそうだし、そんなこと言われたら、俺はそれなりに努力したぞ!と反論したくなるし、そんな簡単に答えなんか出ないっすよ。

私は45歳で、就職したときはバブルがパンパンだった。24時間闘えますかの時代だった。そんな私たちの世代に向けて書かれた本なのだろうか。普段本なんかあまり読まないような普通の若い人たちは、この本をどう読むのか知りたい。

いつものように重い読後感だが、最後の章は必要だったかしら。いや、最終章や、その前の「奈良坂俊和の章」なし
で、「川渕政昭の章」で突き放すように終わっても良かったように思うけれど、あれを書いてしまうところが貫井徳郎の生真面目さなのだろうか。ちなみに、作中の名もない大衆こそが、「私に似た人」かなぁ、と思った。