怪獣使いと少年

何度目か忘れたが、また『怪獣使いと少年』を読んでいる。残念ながら増補改訂の文庫版ではなく、ハードカバーの初版である。読んでみたいけどなぁ、増補改訂版。なんか、かなり加筆されてるらしいし。それはともかく、もう20年も前の作品なのである。佐々木守市川森一も死んでしまって、随分と経ってしまったものよのぅ、とか感慨深いが、全然色褪せない面白さだ。この本の元になったのは映画宝島の『怪獣学・入門!』に収められていた文章で、ちなみに、このムックには『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』の元ネタも収録されていて、更に私が持っている初版には「幻の12話を20年間追い続けた男」という『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」が欠番になった経緯を書いたコラムも載ってたりして、それはそれは素晴らしい本だったわけだが、これで切通理作という珍しい名前を覚え、この本を買ったのだ。この後、切通は、私のあまり興味の湧かない方向へ向かったので、実はあまりいい読者とは言えないのだが、それでも20年経っても楽しめる本なんて、ざらにあるわけじゃないので、これはこれでいいのかなという気もしている。