私が鬱になったわけ

◆鬱だ。超低空飛行だ。急激に落ち込んだわけじゃない。毎日毎日ただ,ぼーっとしている自分がいるのだ。
◆自分で言うのもなんだけれど,以前は自分なりに頑張って仕事してたし,エリートとか幹部候補生とか言うほどではないけど,役所の中枢の職場で,それなりの評価を得ていたのだ。係長に昇任したのも,それなりに早かった(最短コースより1年遅い)。もっとも,私の周りの人もバリバリ仕事してたから,私だけのほほんと暮らしてるわけにはいかなかっただけだが。
◆でも,人事異動で,あまりにも仕事をしない人ばっかりの中に放り込まれた。仕事しない奴というのは,どこにでも一定数いるものだから,これは別に特別なことではない。特別だったのは,役に立つ奴というのが見事に一人もいなかったことだ。これは本当に酷かった。大抵一人くらいは話の通じる奴ってのがいるもんだが完璧にゼロなんだもの。何しろ数年前に市長から指示が出ているにもかかわらず,何の手も打たずに放置しておいて,外向けには仕事してますと嘘をついていやがったのだ。それも局ぐるみで。「市長が何を言おうと関係ない」とか言いやがるんだ,現場の技術屋たちが。殺してやろうかと思ったね。やりたくねぇんなら,指示が出た段階で抵抗しろよ。
◆こんなところで孤軍奮闘したって何の成果も上がるはずはない。毎日が徒労。ただひたすら徒労。自分の完璧主義(ってよく言われるが,私にその自覚はない)のせいで自分の首を絞めてしまい,とうとう鬱病を発症してしまった。医者は長期休暇を取れと言ったけれど,そんなわけにはいかんがな,部下に難題押し付けて寝てられまへんがなということで,1ヶ月だけ仕事を休ませてもらった。さすがに次の年はリハビリできるようなところへ異動させてもらいましたよ。しかし,異動先でも快方に向かわず(要は治ってなかったのね。医者の言うことは聞くものだ),1年の休職と相成ったわけである。
◆で,自分の仕事をこなしつつ,部下の仕事を把握して適切な執行管理を行うなんてこと,トテモできる状態じゃない。なお,そんなこと全然してない上司というのも相当数いたりする。て言うか,そんなこと出来てる上司なんて殆どいない。でも,それをやらなきゃ何のための係長なんだか分からんだろう。とかなんとか悩みに悩んで平社員に戻してもらって,自ら出世コースを降りたのです。黙って大過なく過ごしてりゃ,今頃課長補佐くらいにはなってたものを。
◆今,うちの職場は繁忙期を脱して,トテモ暇である。毎日何をして時間を潰そうかなんて状態で,ここまで仕事のない状態は初体験だ。そんな暮らしをしていると,自分がどんどん腐っていくのが分かる。これまた完璧主義の弊害かもしれないけれど,こんなことしてていいのかと疑問もあるし,一方では,こんなもんでいいんじゃないの,給料も安いし,なんて思っている自分がいる。就職してすぐの頃,金だけ貰って仕事しない中年には絶対なるまいと思っていたけれど,今や,そこまで堕ちている気がする。
◆どうやったら,気分をもう少し良くすることができるのだろう。どうやったら自分で高すぎるハードルを設定してしまうような真面目な性格を変えられるのだろう。最近,本当にしんどい。