逼塞蟄居

x001it2007-06-20

◆引き続き不調。不調だったら何か気分転換を,ということで普通なら「温泉でも行くか」とか気晴らしの遊戯(パチンコ,ドライブ,スポーツ……まぁ人それぞれに)をやってみるとかになるんだろうが,そういう気分転換が最も必要な休職者に,それは許されないのである。公務員だからである。税金で飯を食ってる不埒な輩が休職し,あまつさえ遊んでいるなんて,公務員に対する羨望,嫉妬に狂っている国民は許さないのである。我々公務員は身勝手で理不尽な国民の声をやり過ごすべく,ただじっと家の中で悶々とする以外採るべき道は無いのである。
◆私の場合,家の近くに図書館があったのは運が良かった。図書館なら「遊んでる」なんて非難は受けないだろう。というわけで日垣隆『そして殺人者は野に放たれる』読了。これは小説ではない。ズバリ,心神喪失の名の下で被害者や遺族は不当な扱いを受け,人殺しはぬくぬくと娑婆を謳歌している!という恐怖の現実を描き出した渾身のリポートである。「日本ほどキチガイが野放しになっている国は無いんだ。政府も何とか考えてもらわないとね」というのは『怪奇大作戦』の欠番作品「狂鬼人間」の台詞であるが,その放送から40年近く経った現在も,状況に変わりは無い,それどころか悪化しているようにさえ思える。これは是非,一人でも多くの人に読んでほしい。正直,読むのはかなり辛い。私も読み通すのに随分苦労した。別に文章が下手とかそういうことではなく,内容が重過ぎるのである。でも,頑張って読んでほしい。是非御一読を。ちなみに私は死刑存続論者だし(更に言えば,死刑適用範囲拡大論者でもある),少年法撤廃論者だし,刑法39条削除論者である。